核融合発電って? フリーエネルギーの可能性 安全性は?
フリーエネルギーがあったらいいなと思う人は多いはずです。
※フリーエネルギー:入力したエネルギーよりも出力するエネルギーが多く出される永久的なエネルギーのことです。
実は今フリーエネルギーとなるのではと期待が寄せられている技術があります。それが核融合発電というものです。
これはどのような発電方法なのでしょうか?
原子力発電と核融合発電の違い
核融合発電は核融合反応を利用する発電方法です。核融合反応と聞くと原子力発電を思い浮かべたかもしれませんが、現在の原子力発電では核分裂反応を利用しています。
この二つの発電方法の違いをご説明します。
原子力発電
原子力発電では原子核分裂時に生じる熱エネルギーを利用することで高圧の水蒸気を作り、その水蒸気でタービンを回転させることにより、電気を発電します。
この発電方法では核分裂を起こしやすいウランを原料として利用しています。ウランの核分裂によって生み出されるエネルギーは、原子1個分で180メガ電子ボルトだと言われています。
これではわかりにくいのでわかりやすくすると、ウラン1gで石油2000リットル分のエネルギーとなるそうです。これでとてつもないほどのエネルギーが生み出されているとわかりますよね。
ですが、原子力発電は危険と隣り合わせだということを知っていると思います。なぜ危険なのかご存知ですか?なぜかというと、核分裂は連鎖反応を起こしやすいのです。この連鎖反応により簡単にエネルギーを取り出せるという側面があるのは確かですが、連鎖反応がなんらかの原因で暴走し、止められなくなる恐れがあるのです。
福島第一原子力発電所事故が起こった原因はこれなのです。
核融合発電
一方、核融合発電では核融合反応を利用します。核融合反応は簡単にいうと核分裂反応の反対で、原子核同士が融合し、生じるエネルギーを利用して発電しようというものです。
この核融合は太陽など宇宙の恒星で起こっている反応です。太陽などの恒星が自身で輝きを放つことができるのは、この核融合が起こっているためです。そのため、核融合発電は地上の太陽と呼ばれることもあります。
『太陽が輝き続けられる理由』では「太陽はなぜ輝き続けられているのか」や、核融合反応の説明を詳しくしています。こちらも是非見てください。
そして、核融合反応は核分裂反応の8倍のエネルギーを生み出すことになるそうです。さらに、核分裂反応では連鎖反応がなんらかの原因で暴走し、止められなくなることがありましたが、核融合反応では連鎖的に起こるものではなく、条件が整わないとすぐに反応が止まってしまうそうです。
まぁ、これは反応を起こし続けることが難しいとも言い換えられます。
ですが、その分安全です!
核融合発電は可能か?
実は、核融合反応は物理的に困難な課題が多いため、人工的に核融合を発生させることには成功していません。つまり、現在の技術では不可能です。
この物理的に困難な理由は、核融合反応が起きる条件にあります。
その条件とは
・高温度
・高圧力
です。(高温高密度)
これを人工的に実現させることは難しいのです。
核融合発電の方法
核融合発電では、海水から重水素と三重水素を取り出しプラズマ状態にすることで、核融合を起こします。これにはかなり大きなエネルギーを与える必要があり、そのような環境を地球上で作ることはかなり困難のだそう。
核融合発電の方法は大きく分けて2つあります。
1:磁力を利用する『磁場閉じ込め方式』
2:強力なレーザーを利用する『慣性閉じ込め方式』
これらの方法の細かい説明は省略させていただきます。
核融合発電のメリット
では、核融合発電のメリットとはなんでしょうか?
安全性
メリットとしては安全性が挙げられます。原子力発電が制御不能になるというリスクがあるのに対し、核融合発電では反応がすぐに止まってしまうので安全です。
燃料が豊富
核融合発電に使われる材料は海水中の水素です。それに少量で多くのエネルギーを生み出すことができます。
環境に優しい
火力発電はエネルギーを作る過程で、たくさんの二酸化炭素を排出することが問題視されていますが、核融合発電では二酸化炭素が排出されることはありません。
さらに、原子力発電のように高レベル放射性廃棄物も出ることはないのです。
核融合発電にはこれらのメリットがあります。
実現すればエネルギー問題が解消されるのかもしれないですよね。
核融合発電のリスク
メリットはたくさんありましたが、リスクもあります。
低レベル放射性廃棄物
核融合発電では高レベルの放射性廃棄物は発生しないのですが、低レベルの放射性廃棄物は発生します。この低レベル放射性廃棄物は100年ほど管理が必要な放射性廃棄物で、リサイクルすることも可能なようです。
何万年も管理の必要な高レベル放射性廃棄物に比べるとましですが、100年でも長い気がしますね。
三重水素
燃料に使用される三重水素は放射性同位体なので、もしも漏れ出した場合、放射能汚染を引き起こす可能性もあるといいます。この三重水素を1g作るのに、330万円もかかるのだそうです。さらに、これは核爆弾の原料にも使われています。
核融合発電の技術が核爆弾の進化にもつながる恐れがあるのです。
記事を読んでいただきありがとうございます。
核融合発電にはかなりのメリットがあるので原子力発電よりはいいですよね。技術の進化で実現することを願います。みなさんはどちらの発電方法に賛成しますか?是非コメント欄で教えてください!
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