ヒッグス粒子の正体とは 質量を与える神の粒子
ヒッグス粒子を知っていますか?
これは宇宙の謎を解明する鍵を握っていると言われています。
この粒子は一般の方には理解しがたいものです。
今回はできるだけ簡単にご説明しています。
そもそも素粒子って何?
世界を作っているものの中で一番小さく、基本的なものを素粒子と呼びます。
素粒子の研究は宇宙の死雲を解明するためにも欠かせません。
素粒子の考え方は専門家の間でも様々な見解がありますが、最も一般的な考え方では素粒子は「物質を構成するもの」「力を伝えるもの」「質量を与えるもの」があるとされています。
このヒッグスという名称は、ヒッグス粒子の存在を予想した物理学者ピーター・ヒッグス博士の名前に由来しています。
素粒子に質量はない
実はヒッグス粒子の存在が指摘されるまで、素粒子に質量はないものと考えられていました。そのほうが都合が良かったためです。
しかし素粒子に質量がないならないで、色々と矛盾が生まれてしまいました。
実際に私たちの身の回りのものには、質量のないものなんてほとんどないですよね?
このことから考えても素粒子に質量がないということは考えにくいことです。
そこで「素粒子自体に質量があるのではなく、質量を与える素粒子があるのでは?」という考えが生まれました。
質量の概念
ここで質量について確認しましょう。
地球上に質量60kgの人がいるとします。
地球で測った体重が60kgです。この人が月へ行くと、月の重力は大体地球の6分の1なので体重も6分の1して10kgです。では無重力空間に行くとどうでしょう?この人の体重は0kg(重さがない)になります。
ですが、質量60kgは変わりません。重力の大きさが変わっただけです。
質量とは重さではなく、動きにくさを表すものなのです。
そしてこの動きにくさを与えるものが、ヒッグス粒子だと考えられています。
真空中にはヒッグス粒子がぎっしり詰まっており、その中を他の素粒子が動こうとすると動きにくくなります。動けないということが無重力ということですね。
動きにくさの度合いが質量です。
ヒッグス粒子から受ける影響が大きいほど動きにくくなり、質量は大きくなります。
ちなみに、光は質量が0だと考えられているので最も動きやすいものだといえます。
光速よりも速いものはないのはこのためですね。
相対性理論と同じですね。
詳しくは最大の物理学者 アインシュタインとはをご覧ください。
神の粒子
もしもヒッグス粒子がなかったとしたら、世界にあるすべてのものの質量がなくなり、光速で飛び回ることになるのです。恐ろしいですね。
この地球や人類も存在していなかったかもしれません。
もともと宇宙がビックバンで誕生した当初は、生み出された素粒子には質量はなく、光と同じように自由に動き回っていたと考えられています。
しかし、宇宙空間にヒッグス粒子が増えるにつれて、他の素粒子はヒッグス粒子にぶつかり、動きにくくなってしまいました。これにより宇宙に星などの物質が生まれたのだと考えられています。ヒッグス粒子がなかったら、宇宙にある星や命は全て生まれることはなかったかもしれません。
このことからヒッグス粒子は神の粒子と呼ばれています。
宇宙が光速より早い速度で膨張しているのはまだヒッグス粒子にぶつかっていないからなのかもしれませんね。
理論上はあるとされているヒッグス粒子でしたが、実際には長い間発見されていませんでした。しかし2012年欧州合同原子核研究機関により、ついにヒッグス粒子らしきものが発見されたのです。これにより2013年その存在を示したピーター・ヒッグス氏はノーベル物理学賞を受賞しました。
このことからヒッグス粒子の発見がいかに凄いことかがわかりますよね。
記事を読んでいただきありがとうございます。
ヒッグス粒子の研究は現在盛んに行われていますが、まだまだ謎に満ち溢れています。
この発見は宇宙の謎解明への始まりに過ぎません。
しかし謎に包まれた宇宙の解明が一歩前進したことは間違いありません。
宇宙は未知の存在です。その中の地球に私たちはいます。
なんだか怖くないですか?
死とは何かの記事でもご紹介していますが、 死が怖いのは未知の存在だからです。宇宙も同様に未知の存在です。端がどうなっているか、どれほどの大きさか、考えれば怖くなってくると思います。
宇宙について興味を持っていただけたら嬉しいです。
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