グレートウォールとは
現在も膨張し続けていると考えられている宇宙の大きさなんて想像もつきませんよね。
そんな広大な宇宙の構造の中でも特に大きいとされる構造がグレートウォールです。
グレートウォール(The Great Wall)は、宇宙の中でこれまでに知られている最も大きな構造の一つである。 グレートウォールは地球から約2億光年離れた位置にあり、5億光年以上の長さと約3億光年の幅を持つ、膨大な数の銀河からなる「壁」である。 「壁」の厚さは約1500万光年しかない。
グレートウォールは中国の万里の長城のように見えるため、このように名づけられました。そしてそれはたくさんの銀河からなる大きな壁のようなものです。
グレートウォールの大きさ
私たちがいる太陽系は銀河系という銀河の中にあります。
私たちからすると太陽系も銀河系もとても広大なものですが、宇宙には銀河系よりももっと大きな銀河はたくさんあると考えられます。
グレートウォールはその広大な銀河がたくさん集まったものなので、とてつもなく大きいということがわかると思います。
この巨大な銀河の壁であるグレートウォールは、地球からおよそ2億光年お距離にあると言われています。
そしてその大きさは現在判明しているもので
高さ:およそ3億光年以上
厚さ:およそ1500万光年以上
長さ:5億光年以上
もあるそうです。
銀河系の大きさは
直径:約10万光年
厚さ:約1000光年
ということはグレートウォールがどれほど大きいのかが分かりますね。
正確にはこの壁がどのくらい続いているのかまだわかっていないので恐ろしいです。
グレートウォールの発見
グレートウォールが発見されたのは、1989年のことです。
ハーバード・スミソニアン天体物理センターのマーガレット・ゲラーらは、銀河の分布図を作成するために多数の銀河の赤方偏移(観測対象からの光のスペクトルが長波長側にずれる現象)を調査していました。
その調査中に発見されたのがグレートウォールです。その後さらに観測はすすめられ、グレートウォールが宇宙の中に多数存在すると判明しました。
宇宙の大規模構造
たくさんの星が集まったものを銀河と言いますが、この銀河は宇宙の中に均等に存在するわけではありません。ダークマター(暗黒物質)などの影響で銀河が多く集まる場所と銀河が全くない空洞のような場所に分けられます。
この空洞のような場所はボイドと呼ばれています。
ちなみにこのボイドの直径は1億光年を超えると言われています。
そして銀河がたくさん集まったものを銀河団、さらに銀河団がたくさん集まったものを超銀河団と呼びます。 このように宇宙を非常に大きなスケールでみたときの構造のことを「宇宙の大規模構造」といいます。
その構造を見ると多くの銀河がボイドを取り囲むように存在しており、その様子がまるで石鹸の泡のように見えることから「泡構造」とも呼ばれています。
グレートウォールの成り立ち
グレートウォールは超銀河団が壁のように分布している状態のことを言います。
そしてこのグレートウォールはボイド同士が接する面に沿って分布していることがわかりました。なぜグレートウォールができたのでしょうか?
まだはっきりとわかってはいませんが、「ダークマターが深く関係しているのでは?」と言われています。
ダークマター とは
まずはダークマター について簡潔に説明します。
特徴としては
・目に見えない
・不思議な引力を持つ
・宇宙全体のエネルギーの22%を占める
ちなみに残りの74%はダークエネルギーで、ふつうの物質は全体の4%に過ぎません。
なぜダークマターが関係しているかというと、宇宙の大規模構造はダークマター の存在抜きには説明できないのです。現在のところ重力だけでは銀河同士は引きつけられることはなく、ダークマターの作用によって引きつけられているとされています。
必然的にグレートウォールの成り立ちもダークマター の分布などと関係していると考えられます。グレートウォールは現在でも観測が続けられ、銀河の誕生や成り立ちの謎の解明に役立てようと試みられています。
記事を読んでいただきありがとうございます。
宇宙の大規模構造を知ると地球に住む人類はとっても小さい存在なのだと考えてしまいます。何か悩み事がある時は空を眺めることですっきりすることがあるので、さらに大きい宇宙の大規模構造をみるともっとすっきりするのかもしれませんね。
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