全ての自然数の2乗の和が0になることの簡単な証明 ゼータ関数(-2)の零点
全ての自然数の二乗の和S
S = 1^ + 2^ + 3^ + 4^ + 5^ + 6^ + 7^ + 8^+... = 0の証明
なぜこの式を?
数学の時間が始まる前の休み時間で、友達に何か面白い問題ない?と聞いたところ、「バーゼル問題を証明してみて」と言われました。
その時に聞き間違えたようで、バーゼル問題では全ての自然数の2乗の逆数の和というところを、全ての自然数の2乗の和と勘違いして、解いていたら0になることを発見したのです。
さらに、後から気付いたのですが、これって、ゼータ関数のs = -2の時なんです。
つまり、自明な零点の証明を一つしたことになりました。
全ての自然数の2乗の和が0になる証明
ゼータ関数 ζ (-2) = 0 の証明でもある。
※^は2乗を表しています。
全ての自然数の2乗の和はこのように表すことができますよね。
S = 1^ + 2^ + 3^ + 4^ + 5^ + 6^ + 7^ + 8^+...
次に、Sを8倍します。
S = 1^ + 2^ + 3^ + 4^ + 5^ + 6^ + 7^ + 8^ + ... -①
8S = 1^×8 + 2^×8 + 3^×8 + 4^×8 + ... -②
※8倍した方は位置を一つ分ずらしていきます。
①-②より、
-7S = 1^ - 2^ + 3^ - 4^ + 5^ - 6^ + 7^ - 8^ ...
という規則性を持った数列が誕生します。
左辺の数列をKとしましょう。
つまり、「-7S = K」と表せます。
Kを2つ書きます。下のKから1^をカッコの外に出しておきます。
2K = (1^ - 2^ + 3^ - 4^ + 5^ - 6^ + 7^ - 8^ ...) +
1^ + ( - 2^ + 3^ - 4^ + 5^ - 6^ + 7^ - 8^ ...)
「1^-2^」や「3^-4^」などは全て因数分解できます。
よって、
2K = { (1+2)(1-2) + (3+4)(3-4) + (5+6)(5-6) + (7+8)(7-8)... } +
1 + { (3+2)(3-2) + (5+4)(5-4) + (7+6)(7-6) + (9+8)(9-8)... }
そしてそれぞれの右側のカッコに注目してもらいたいのですが、
上の段のカッコの右側は全てマイナス1になりますよね。そして、下の段ではプラス1になります。このことから2Kを書き直すと…
2K = { - (1+2) - (3+4) - (5+6) - (7+8) + ... } +
1 + { (2+3) + (4+5) + (6+7) + (8+9) + ... }
※下の段では数字を並び替えています。
そしてマイナスをかけてやると…
2K = { -1 -2 -3 -4 -5 -6 -7 -8 ... } +
1+{ 2 +3 +4 +5 +6 +7 +8 +9... }
もう、お分かりだとは思いますが、上の段と下の段を足し合わせると、0になりますよね。つまり、右側の和が0となります。
よって、2K = 0 → K = 0 が導かれます。
さて、-7S = K だったことを覚えているでしょうか笑
K = 0より、-7S = 0 → S = 0
よって全ての自然数2乗の和は0となります。
信じられませんよね。ゼータ関数の-2の時の自明な零点を示したことになります。
※ちなみに他の値も計算できました。
計算量が膨大でしたが…