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トポロジーとは何か? 位相幾何学をわかりやすく解説

多くの人が一度はトポロジーという言葉を聞いたことがあるとおもいます。
しかし、結局よくわからずあやふやになってしまった経験がないでしょうか?
今回はそんなトポロジーについてかみ砕いて見ていきます。


トポロジー(位相空間)の定義


それではさっそく、トポロジー(位相空間)の定義を示します。

Def 位相空間の定義

$X$を全体集合として、$\mathcal{O}$を$X$の部分集合の族とする。
$\mathcal{O}$が以下の3条件

  • 1 $\emptyset$,$X$$\in$$\mathcal{O}$
  • 2 $U_1$,$U_2$$\cdots$$U_n$$\in$$\mathcal{O}$ならば $U_1$$\cap$$U_2$$\cdots$$\cap$$U_n$
  • 3 任意の{$U_\lambda$}$_{\lambda\in\Lambda}$$\subset$$\mathcal{O}$に対して$\displaystyle \bigcup_{\lambda \in \Lambda}{U_\lambda}$$\in$$\mathcal{O}$

を満たすときに$X$に位相が与えられたといい($X$,$\mathcal{O}$)を位相空間と言う。
$U \in \mathcal{O}$をこの位相に関する開集合という。
$\mathcal{O}$開集合系という。



ここで出てくる$X$の部分集合の族とは$X$の部分集合たちを集めてきたものです。
また$\Lambda$は添え字集合のことです。

位相における強い、弱い


次に位相における強い弱いという概念について定義します。

Def

集合$X$に二つの位相が与えられていて、その開集合系をそれぞれ$\mathcal{O_1}$,$\mathcal{O_2}$とする。
また$\mathcal{O_1}$$\subset$$\mathcal{O_2}$とする。このとき

  • $\mathcal{O_1}$による位相は$\mathcal{O_2}$より弱い
  • $\mathcal{O_2}$による位相は$\mathcal{O_1}$より強い

という。



$X$の部分集合全てをあつめてきたものを特にべき集合といい、$\mathfrak{B}(X$)や$2^X$とかきます。

密着位相と離散位相

今度は密着位相離散位相を定義します。

Def 密着位相離散位相

  • $\mathfrak{B}(X$)による位相を離散位相といい、{${\emptyset,X}$}による位相を密着位相という。

開集合系の共通部分も開集合系


いままで紹介した定義をつかってある定理を証明します。
それがこちらです。

Thm

  • $X$の部分集合の族$\mathcal{O_\lambda} (\lambda\in\Lambda)$が開集合系であるときに$\displaystyle\bigcap_{\lambda\in\Lambda}{\mathcal{O_\lambda}}$も開集合系


Proof


$\displaystyle\bigcap_{\lambda\in\Lambda}{\mathcal{O_\lambda}}$が開集合系の3つの上記の条件を満たしている事を確認する。
3つのSTEPで分けて考える


STEP1
まず、各$\mathcal{O_\lambda}$は1の条件を満たすので、$\emptyset$,$X$$\in$$\mathcal{O_\lambda}$となる。
これが各$\lambda\in\Lambda$について成り立っているので、$\emptyset$,$X$$\in$$\displaystyle\bigcap_{\lambda\in\Lambda}{\mathcal{O_\lambda}}$となり、1の条件が成り立つ。


STEP2
次に、2の条件を示す。
$U_1$,$U_2$$\cdots$$U_n$$\in$$\displaystyle\bigcap_{\lambda\in\Lambda}{\mathcal{O_\lambda}}$を任意に取る。
これは各$\lambda\in\Lambda$に対して$U_1$,$U_2$$\cdots$$U_n$$\in$$\mathcal{O_\lambda}$ということである。
また、各$\mathcal{O_\lambda}$は2の条件を満たすので$U_1$$\cap$$U_2$$\cap$$\cdots$$\cap$$U_2$$\in$$\mathcal{O_\lambda}$となる。
これが各$\lambda\in\Lambda$について成り立っているので、$U_1$$\cap$$U_2$$\cap$$\cdots$$\cap$$U_2$$\in$$\displaystyle\bigcap_{\lambda\in\Lambda}{\mathcal{O_\lambda}}$
したがって2の条件も成り立つ。


STEP3
最後に3の条件が成り立っていることを示す。

{$U_\mu$}$_{\mu\in\mathscr{M}}$$\subset$$\displaystyle\bigcap_{\lambda\in\Lambda}{\mathcal{O_\lambda}}$を任意にとる。
これは各$\lambda\in\Lambda$に対して
{$U_\mu$}$_{\mu\in\mathscr{M}}$$\subset$$\mathcal{O_\lambda}$ということである。
ここで$\mathcal{O_\lambda}$は3の条件
を満たしているので$\displaystyle\bigcup_{\mu\in\mathscr{M}}{U_\mu}$$\in$$\mathcal{O_\lambda}$であり、これが各$\lambda\in\Lambda$に対してなりたっているので
$\displaystyle\bigcup_{\mu\in\mathscr{M}}{U_\mu}$$\in$$\mathcal{O}$が成り立つ。
以上より3の条件が成り立つ

生成された位相


今回最後に生成された位相をご紹介したいと思います。



Def 生成された位相

  • $\mathscr{S}$を(開集合系とは限らない)$X$の部分集合の族とする。
  • このとき、$\mathcal{U}$={$\mathcal{O}$:$X$の開集合族 | $\mathscr{S}$$\subset$$\mathcal{O}$}とする。
  • $\displaystyle\bigcap_{\mathcal{O}\in\mathcal{U}}{\mathcal{O}}$のことを$\mathscr{S}$から生成された位相という。


実際に上記で示した定理から$\displaystyle\bigcap_{ \mathcal{O}\in\mathcal{U}}{\mathcal{O}}$は開集合系となっている。
なお、定義から明らかだが、$\mathscr{S}$を含む最小の開集合系となっている。



一通り位相の基本的な事柄を示しました。
これらが少しでも位相の勉強に役立ってくれると幸いです。
なお、間違いがありましたら指摘していただけるとうれしいです。



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